創作を始めてから四年が経ち、
なかなか結果が 出ずに悩んでいた、
秋の終わりのとある夕暮れ。
小説家を目指す少年・門倉良太のもとに一通のファンレターが届いた。
かどくらりょうた
『物語とは、理論により構築されるべきものです』
突き動かされる情熱だけを頼りに創作を 続けてきた彼に、
顔も名前もわからない 読者は、『創作の理論体系』を 説いた。
かのじょ
そして、この日から彼の日常は大きく変わり 始める。
――身を凍らすような現実を越えて、
桜舞う夢の向こう側へ。
ふゆ
はる